「生活が一向に楽にならない」
「物価上昇で老後生活が不安」
今年も残すところあと2週間余りとなりました。
今年を振り返ると、2025年の日本経済は依然として「物価高」と「実質賃金マイナス」という二重苦に直面した一年でした。
賃金が上昇しても、エネルギー価格や食料品の高騰による物価上昇率を上回ることができずに3年連続で実質賃金がマイナスとなり、さらには年金支給額も実質的に目減りして、老後生活の不安が一層深刻化しています。
このような社会環境のなか、充実したセカンドライフを送るためには、限られた年金や貯蓄をどのように守り、活かしていくかが重要な課題となります。
支出の見える化で現状把握
物価高対策として、まず取り組むべきは家計の現状を正確に把握することです。定年後は収入が減る一方で、支出は現役時代と大きく変わらないことが多いようです。
そのため、家計の収支を把握し、固定費・変動費を見直すことが重要です。特に、通信費や保険料、サブスクリプションなどの「見えにくい支出」を洗い出すことで、無駄を減らす第一歩となります。
固定費の削減が最大の防御策
物価高が続くと生活コスト全体が上昇するため、毎月の固定費を抑えることが最も効果的な防衛策となります。
電気・ガスのプラン見直し、格安スマホへの乗り換え、不要な保険の解約など、小さな見直しが年間で大きな節約につながり、一度見直せばその後も節約効果が続くため有効です。
将来を見据えた資産運用を検討
貯蓄をただ取り崩すだけでは、インフレによって実質的なお金の価値が目減りしてしまいます。そのため資産の一部を分散投資に回し、長期的な視点でインフレに強い資産(株式、インデックスファンドなど)を取り入れることが効果的です。
運用の第一歩としては、手持ちのお金を①日常生活に必要な資金、②すでに使い道の決まっている資金、➂当分使う予定のない資金、④急な出費に備えるための資金の4つに分けることから始めます。
そして、貯蓄から投資へという流れが進む中で、リスクを理解しながら資産形成への意識を高め、➂の当分使う予定のない資金を、将来のために増やすお金として資産運用を検討することが大切です。
小さな贅沢を楽しむ
節約ばかりに意識が向くと、生活の満足度が下がり、ストレスが溜まります。大切なのは、支出の「優先順位」を明確にすることです。
旅行や趣味など、心を豊かにする支出には計画的にお金を使い、日常の無駄遣いを減らすことが大切です。限られた資金の中でも、使う楽しみを感じられることが、日頃の倹約生活を続けられるコツです。
健康こそ最大の節約
医療費の増加は、定年後の家計を圧迫する大きな要因です。健康を維持することは、最も確実で効果的な節約術といえます。
バランスの取れた食事、適度な運動、定期的な健康診断を習慣化することで、医療費の負担を抑え、安心して老後を過ごすことができます。
まとめ
セカンドライフの家計管理は、守り(節約の最適化)と攻め(資産運用)の両輪のバランスが重要です。それは単なる節約術ではなく、価値ある支出へシフトすることです。
まずは家計の現状把握から始め、固定費の見直しや無理のない範囲での節約を継続し、将来を見据えた資産形成も視野に入れることが、今のインフレ時代を乗り切るための鍵となります。
