シニア世代にとって、「カスハラ」は他人事ではなく、自分を見つめ直すきっかけに!

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2025年4月1日から客からの迷惑行為などのカスタマーハラスメント、いわゆる「カスハラ」を防ぐための全国初の条例が東京都などで施行されました。

東京都の条例では、「何人もカスハラを行ってはならない」と規定した上で、客や従業員、事業者に対し、カスハラを防ぐための対応をとることを責務として定めているようです。

カスハラの実態

カスハラは近年、ホテルや飲食業などのサービス業を中心にで大きく話題になり、ニュースでも取り上げられていました。客から土下座を強要されたり、ひどい暴言を吐かれたりすることもあり、事業者側はあまりにも理不尽な客に対し、SNSで顔や名前を晒すなどの対抗処置をとることもあったようです。

暴走老人

2007年に「暴走老人」というタイトルの本が話題になりました。

「暴走老人」とは、頑固で気が短く、他人の意見に耳を貸さず、思い通りにならないとすぐ「キレる」「奇妙な行動に走る」高齢者を指し、高齢者の「キレる」現象が社会問題として指摘されるようになりました。

かつては、「学級崩壊」などが深刻化し、「キレる」のは若者に対しての言葉だったのですが、超高齢化社会を迎えて、今や「キレる高齢者」の方が問題になっています。

どうも、「キレる高齢者」は過去の自分に執着する心が強く、さらには自己顕示したい心の葛藤があるようです。

カスハラの多い年代

労働組合であるUAゼンリンの調査によると、60代の客による「カスハラ」が29.4%で最も多く、内容は不手際などに関する謝罪や商品の取り換えなどの要求が目立つようです。

【カスハラの多い年代】

  • 60代 29.4%
  • 50代 27.2%
  • 70代 19.1%

カスハラ行為!どんな人が?

また、「カスハラ」をする人には、年代以外にも特徴があるようです。

  • 会社での人間関係が中心
  • 高学歴である
  • 会社での地位あり、プライドが高い
  • 固定観念が強い

つまり、権威主義で上から目線であり、過去の栄光や武勇伝を口にしがちな人は注意が必要です。このような人の内面には、捨てられないプライドや自尊心、それゆえに、会社人生が終わったあとに深まる孤独感などがあるのではないでしょうか。

自己に対する執着にとらわれると、自分の思い通りにならないことにストレスを感じ、そのストレスを溜め込んで、いずれ爆発させてしまうことになってしまいます。

カスハラのタイプ

「カスハラ」は、このように、頑固でキレやすく、人の意見に耳を貸さない高齢者に多いようですが、「カスハラ」には3つのタイプがあるようです。

  • 筋論型:筋道を立てて問題点を追及し、解決を要求する
  • ストレス発散型:機嫌次第でストレスの発散手段をして行う
  • 世直し型:間違った正義感から、改善を要求したり、勉強不足を指摘する

いずれも捨てられない過去のプライドや自尊心など人生で培われた肥大な自己から生まれるようです。

生まれ変わる意識を

老後の不安のなかに、孤独があります。

仕事を辞めた後の環境変化に対応できず、イライラして怒鳴り散らしたり、不平不満ばかり抱えたり、相手を見下して接したりしていると社会から孤立してしまいます。

大阪商業大学が行った高齢期における幸福度調査によると、女性の方が男性に比べ、活動的で社交性があり、幸福度が高いようです。圧倒的に女性の方か60歳を超えて人生を楽しんでいることがわかります。

また、国際老年精神医学会が発表したアンケート調査結果によると、「あるべき論」から脱却できず、従来の固定観念に縛られると、固定観念に縛られない人よりうつ病にかかるリスクが約2倍増えるようです。

人生100年時代、会社生活が終わってからも長い人生が続きます。

定年後は、あくまでも謙虚に素直にをモットーにして、新しい価値や生き方を創造してみてはいかがでしょうか。凝り固まった過去の自分を柔軟にすることで、新しい自分を発見する良いチャンスにもなります。

過去の自分と決別し、新しい自分を発見することで、イライラしたり不平不満ばかりを抱えることのない、楽しい人生が待っているはずです。

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