「働かないおじさんが増えているって本当?」
2019年頃から、SNS上では「働かないおじさん」を職場での存在感のなさから「妖精さん」と揶揄して呼ぶそうです。
元々は、サボっているように見える人や変化を嫌う管理職など、仕事意欲は低いのに高給取りの50代でモチベーション低下した人を指していましたが、最近は、定年後に再雇用で働くおじさんにまで範囲が広がっています。
働き続ける人の増加
人生100年を迎え、定年後の時間は、これまでの人生を振り返り、これからの人生を考える貴重な時間です。新たな目標に向かって挑戦することで、より充実した人生を送ることができます。
このような状況下、急激な高齢化の進行に対応し、2013年4月1日から年金受給開始年齢まで意欲と能力に応じて働き続ける環境整備を目的に、高年齢者雇用安定法が一部改正されました。
この法改正により、希望があれば65歳まで雇い続けることが企業に義務づけられ、60~64歳では7割以上、65~69歳でも5割以上が就業しており、60歳を過ぎても働き続ける人が増えています。
働かないおじさんの存在
近年、より一層「経済的理由」「健康維持」「社会とのつながり」を理由に、定年後、再雇用制度を活用して働く意欲のある人は増える傾向です。
しかし一方で、再雇用になった途端、収入の大幅減や責任と権限の喪失でモチベーションが低下した「働かないおじさん」も存在するようです。
「働かないおじさん」になる原因は、収入の激減と組織内での立場や地位などの環境変化に柔軟に対応できないことがあります。
そのほかにも、自分の仕事が誰の役に立っているか存在意義がわからなくなって、仕事に対する熱意が失われ、働く意味に悩んで立ち往生してしまうことが挙げられます。
その状態が続くと、意欲が減退し体調を崩しやすくなり、さらに「働かないおじさん」に拍車がかかってしまう可能性があります。
セカンドキャリアは、「これまでの仕事の第一線を退いた後であっても、新しい活躍の場所を見つけること」です。定年後も新たな居場所を見つけて、前向きな気持ちで働き続けることが大事です。
そのためには、セカンドキャリアの目的を、収入や会社での立場・評価のためでなく、「生きがいの追求」や「社会とのつながり」として、自身の経験やスキルを活かし、誰かの支えになっている仕事や人の役に立つ仕事に積極的に取り組むことが大切です。
貴重な時間を働き続けるので、無駄にならないよう気をつけたいものです。
定年後も働き続ける意義
新たなキャリアを築くうえで参考になるのが、2015年に上映された映画「マイ・リターン」です。
この映画は、ファッションサイトのCEOで多忙な日々を送るジュールズ(アン・ハサウェイ)と、その部下でシニアインターンとして働く70歳のベン(ロバート・デ・ニーロ)の世代を超えた交流を描いた物語です。
定年を迎えて会社人生を終え、社会との繋がりを求めて多くの趣味を楽しんでいたベンが、妻を亡くし、孤独で今の人生に満足できなくなったことをきっかけに、シニアインターンの立場でジュールズが経営する会社に入社するところから物語が始まります。
本作は一見、働く女性を応援する内容に思えますが、人生経験豊富な知識と温厚な人柄なベンのアドバイスは、仕事で成功するだけでなく、家族や友人との時間が大切なことや仕事も家庭のことも自分が後悔のないように選択するのが一番だと励ますなど、仕事以外の生き方からも学びが得られます。
また、ベンの高圧的な態度ではなく、いつも誰かに寄り添ってサポートする姿は、ジェネレーションギャップの捉え方やコミュニケーションの距離の取り方など、現実の仕事の人間関係でも大いに生かすことができます。
まとめ
定年を迎え、一時的に働くことへのモチベーションが低下したり、生きがいを見失ったりすることは、決してネガティブなことばかりではなく、人生の後半戦をより充実させるための、大切な転換期と捉えることもできます。
セカンドキャリアを、自己成長や新たな挑戦の機会と捉え、誰かをサポートしたり、人の役に立つことを目標とし、自分の役割を理解して意欲的に働くことが、セカンドライフを、より豊かで充実したものにします。