「定年後も働きたいけど、これからの仕事はどうしよう？」
「定年後の生活費が年金だけで足りるか不安」
「再雇用制度はあるけど・・・」
人生の折り返し地点を過ぎたとき、多くの人が「これからの働き方」について考え始めます。再雇用制度はあるけど、部下だった人が上司になるかもしれない。転職した場合、新しい仕事ができるだろうか。できれば、長年積み重ねてきた経験やスキルを活かしたいなど、複雑な気持ちになることも少なくありません。
今の60代はひと昔前の60代とは全く違い、気力も体力も充実しています。まだまだ元気で働けるのなら、これまでの経験を活かして新しいことに挑戦したいと思う人も多いのではないでしょうか。その過程で重要なのが、柔軟性と確固たる信念という、相反するようでいて実は深く結びついた二つの要素です。
働き方の多様化
近年、定年後の働き方は、テレワークによる在宅勤務やフルタイム勤務にこだわらない短時間勤務などの柔軟な働き方、再雇用、起業、副業などキャリアの選択肢が多様化し、個人のライフスタイルや企業が経験豊富な人材を活用するニーズなど、さまざまな要因によって広がりを見せています。
柔軟性持つことが大切
この多様化する働き方のなかで、柔軟性を持つことはとても大切なことです。柔軟性とは、変化を受け入れる力であり、社会の構造、技術の進化、価値観の多様化など、取り巻く環境変化に合わせることです。
これまでの成功体験や慣れ親しんだ方法に固執していては、新しい道を切り開くことはできません。セカンドキャリアでは、これまでの先入観を解放して過去の自分を一度リセットし、新しい環境に適応することが大事です。
たとえば、会社での管理職経験を持つ人が転職する場合、求められるスキルや人間関係の構築方法は大きく異なります。そこで鍵となるのが、学び直しや他者からのフィードバックを素直に受け入れる柔軟な姿勢です。
また、雇用延長制度を活用した再雇用の場合にも、新しい環境に適応するための柔軟性が求められます。意識を切り替え、新しい知識や技術の習得や新しい役割や仕事に対して意欲的に取り組むなど前向きな姿勢を持つことが大切です。
確固たる信念の必要性
一方で、柔軟性だけでは流されてしまう危険もあります。新しい環境に適応する過程で、自分の軸を見失ってしまえば、方向性を定めることができません。だからこそ、確固たる信念が必要になります。信念とは、何を大切にし、どのように社会に貢献したいのかという根本的な価値観です。セカンドキャリアは、単なる再就職や転職ではなく、「自分がどう生きたいか」を再定義する機会でもあります。信念が明確であれば、たとえ環境が変わっても、自分の選択に迷いが生じにくくなります。柔軟性が外の変化に対応する力だとすれば、信念は内なる羅針盤として働きます。
柔軟性と信念は互いに補う
この二つの要素は、対立するものではなく、むしろ補い合う関係にあります。柔軟性があるからこそ、信念を現実に合わせて表現できる。信念があるからこそ、柔軟性が単なる迎合ではなく、目的を持った適応となる。セカンドキャリアを成功させる人々は、このバランスを巧みに保っており、彼らは変化を恐れず、しかし自分の価値を見失うことがありません。
まとめ
セカンドキャリアは、過去の延長線上にあるものではなく、人生の新しい一歩です。柔軟性によって新しい可能性を受け入れ、信念によってその道を確かなものにしていく。その両輪が噛み合うとき、人は年齢や肩書きを超えて、真に自分らしい働き方を実現できるはずです。
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