28歳で土俵を去った元大関貴景勝から学ぶ武士道精神を貫く人生哲学

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「もう横綱を目指す実力はないな」

「平幕でいいならあと4、5年はできる・・・でも僕のポリシーにその選択はなかった」

そんな言葉を残して、元大関貴景勝は2024年9月秋場所を最後に28歳という若さで現役引退し、年寄「湊川」の襲名しました。

横綱昇進を目指していましたが、気力、体力ともに横綱への夢には届かないと判断したようです。

引退に対する称賛の声

元大関貴景勝の引退は、多くの相撲ファンにとって驚きとともに、彼の勇敢な決断を称賛する声が広がっています。力士としての彼のキャリアは、数々の素晴らしい瞬間と共に、武士道精神に満ち溢れていました

引退したあとに時折見せる顔つきは、現役時代の鬼気迫る厳しい表情から柔和で優しい少年のような表情に変わり、土俵上で見せた姿とはまるで別人のようです。

その表情からも土俵のなかで背負っていた責任の大きさが伺えます。

武士道精神

彼は大関昇進時の口上で、「大関の名に恥じぬよう、武士道精神を重んじ、感謝の気持ちと思いやりを忘れず、相撲道に精進して参ります。」と述べています。

伝達式の口上では、力士が大事にしている言葉を述べることが多く、彼の心のなかで武士道精神と言う言葉を大事にしていたことが伺えます。

武士道精神とは、責任意識や恥を知ることにより、義に殉ずる精神力、死をも恐れない自らの潔さを示しています。

貴景勝の引退は、彼自身の強い意志と、相撲道に対する深い理解から来るものでした。彼は、近年は首のケガに悩まされ、自分の身体と心がベストの状態でないと判断し、後進に道を譲ることを選びました。これは、武士道における潔さと誇りを体現するものであり、多くの人々に感銘を与えました。

会社人生の最期

この引退は、ビジネスの世界にも通じる教訓を提供しています。多くのサラリーマンは、定年を前にしてキャリアの終わりを迎えるときに、どのように次のステージへ進むべきか悩むことがあります。

そして悩んだ結果、やりたいことも見つからず、社内では自分の「居場所」がなくなり「居心地」の悪さも感じながら、会社や生活のためと言い訳しながら、ずるずると居座ってしまうケースも少なくありません。

貴景勝のように、自分の役割を全うし、潔く次の世代にバトンを渡すことは、どのような職場においても大切なことです。

引き際の難しさ

貴景勝の引退には、男の美学が色濃く表れています。彼は、力士としての誇りを持ち、最後まで全力を尽くしました。

老子の言葉に、「功遂げて身を退くは、天の道なり」とあります。

この言葉は、功績を上げたら身を引く、これこそが自然の道理に則った方法であるとの意味です。

欲にとらわれていると身の破滅を招くので、成功したら身を滅ぼす前にさっさと手を引きべきであると言っています。

最後まで欲をかいた結果、もともとあったものまで失ってしまうということです。引き際を見極めないと、これまでの努力が水の泡になり、最後に情けない姿をさらしてしまうことになりかねません。

「立つ鳥、跡を濁さず」

特にリーダーや高い地位にあった人は、いつまでも地位にしがみつくのではなく、引き際の潔さが大事です。

まとめ

彼の引退は、単なるスポーツの終わりではなく、人生の新しいステージの始まりを意味します。貴景勝は、これからも彼の持つ価値観を次の世代に伝えていくことでしょう。

彼の潔さと誇り高い生き方は、私たち全てにとっての教訓となります。

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