「社会とのつながりを持ちたい」
「定年後は自分のペースで働きたい」
「新しい仕事に挑戦したい」
人生100年時代を迎え、定年後の就業率も上昇傾向にあり、働き方も多様化していることから、キャリアブレイクを経て新しい仕事に挑戦するシニアが増えているようです。
キャリアブレイクとは
キャリアブレイクとは、仕事から一時的に離れて、自身のキャリアや人生を見つめ直す期間を指します。欧州では一般的な考え方で、子育てや介護、スキルアップ、リフレッシュを目的に使われることが多く、近年はシニア世代にも注目されています。
定年が近づいて起こる感情
定年が近づくにつれて、心の中にふと「モヤモヤ」とした感情が湧き上がります。それは、これまで走り続けてきた道の終わりが見え始めたときに感じる、残りの人生への不安と期待とが入り混じった複雑な思いです。
きっと「このままでいいのだろうか」「自分は何を残せたのだろう」「これから何をしたいのだろう」という思いを持つ方も多いのではないでしょうか。
長年、仕事に全力を注いできた人ほど、このモヤモヤ感は深いと思います。責任を果たし、成果を上げ、組織の中で役割を全うしてきたにも関わらず、定年という節目を前にしたとき、初めて「自分」という存在を仕事抜きで見つめ直す時間が訪れます。
一度立ち止まって人生を考える
そんなときにこそ、キャリアブレイクという考え方が意味を持ちます。
なぜなら、キャリアブレイクとは、単なる「休み」ではなく、これまでの自分を一度リセットし、次の人生をどう生きたいかを考えるための時間だからです。
焦って次の仕事を探すのではなく、立ち止まり、自分の内側に耳を傾けることも大事です。それは、旅に出て自分の人生を見つめ直してもいいですし、セカンドキャリアの形成として学び直してもいいです。あるいは、何もしない時間を過ごすことだって立派なキャリアブレイクです。
この「何もしない時間」こそが、実は最も贅沢で、最も創造的な時間になります。心が静まると、これまで見えなかった自分の価値観や、本当に大切にしたいことが浮かび上がってきます。それは、次の人生をデザインするための羅針盤になると思います。
まとめ
定年前にモヤモヤとして感情が晴れないことは、決して悪いものではありません。それは、次のステージへ進むためのサインであり、人生の再構築を促す合図です。
キャリアブレイクを恐れず、むしろ積極的に受け入れることで、「働く」ことの意味を再定義し、「生きる」ことの豊かさを取り戻すことが可能です。
たしかに一時的に仕事から離れることへの不安はあります。しかし、自分の人生を周りの雰囲気に流されて選択して後悔しないことが大切です。
定年前後にモヤモヤした気持ちを持つのであれば、キャリアブレイクを体験することもひとつの選択肢です。
モヤモヤの正体は、終わりではなく、始まりの予感です。その感情を抱けること自体が、次の人生への準備が整いつつある証なのかもしれません。
