「いつの間にか人生の折り返し地点を過ぎていた」
人生の折り返し地点を過ぎると、これまでを振り返り、「これからどう生きようか」「本当に大切なものは何か」と立ち止まることがあります。
会社人生や子育てが終わったあと、あるいは健康や環境の変化など、第二の人生を考えるとき、「正しい選択をしたい」と思う人は少なくありません。
しかし、人生の選択に正解などありません。
正解のない時代
たしかにひと昔前は、有名大学を卒業し大企業に就職して、家庭を築き、定年を迎える人生が勝ち組と言われ、社会がある程度の人生で目指すべき「正解」を示してくれました。
しかし今は、価値観の多様化や社会構造の大きな変化により、従来の「正解」といわれた成功モデルが崩れ、これからの人生をどう生きるかという問いに対し、誰もが明確な答えを持たないといった未来への不確実性が高まっています。
選択肢の多様化による迷い
第二の人生の選択肢は、雇用延長による再雇用・再就職、または起業、ボランティアなど仕事以外の活動、退職してリタイアなど多様化しています。
どれもがその人にとっての「正解」になることができますが、誰もが明確な答えを持たない不確かさが、将来への不安を増長させる要因になります。そして、何を選ぶべきか、どの道が自分に合っているのかなど迷った結果、慎重になり無難な道を選んでしまいます。
自分の価値観で生き方を決める
人生の選択に正解がないということは、失敗もまた存在しないことです。何が成功で何が失敗かは後から自分で決めるものと割り切れば、誰かの基準に合わせる必要はなく、自分の価値観で生き方を決めることができます。
また、完璧な答えを探すより、まず一歩を踏み出すことが、思いがけない出会いや発見をもたらすことがあります。動きながら考え、試しながら修正していくうちに、自分にとっての針路が見えてくるはずです。
たとえば、新しい仕事に挑戦することで自分の才能や夢中になれることを発見したり、ボランティア活動が新しい仕事のきっかけになったり、また、最初は軽い気持ちで始めたことが、いつの間にか人生の軸になることもあるかもしれません。
自分が納得する道をつくる
第二の人生は、過去の延長ではなく、もう一度、自分を選び直す時間です。決して他人の評価や期待など、誰かの基準に合わせる必要はありません。
社会の期待や常識から少し距離を置き、自分のペースで、自分の心が動く方向へ進めばいいのです。大切なのは、「正しい道」を探すことではなく、本当にやりたいことを明確にし、それに基づいた選択・行動をして「自分が納得できる道」をつくっていくことです。
まとめ
第二の人生では、誰もが迷いながら、それでも前に進んでいき、「正解」を探すのではなく、自分の歩みそのものを「正解」にしていく生き方が、これからの時代には大切です。
誰かの評価や世間の目に頼らず自分の選択を信じる、失敗を恐れず試行錯誤しながら前に進む、たとえ周囲と違った道を選んでも自分のあゆみを肯定するなど、勇気を持つことがきっと人生を自分の手に取り戻す活力になるはずです。
完璧でなくていい、まず動き出すことで、人生は変わります。そのためには、自分を信じて軽やかに次の一歩を踏み出していくことが大事です。
