「高齢者29.4%最高更新」
敬老の日にちなみ、総務省が14日に人口推計を発表しました。
日本の人口が減少しているなか、高齢化率が年々上昇しており、この人口構造の変化がセカンドライフにおける老後不安に大きな影響を及ぼしています。
高齢者人口の増加
総務省統計局の発表によると、2025年9月15日現在の65歳以上の高齢者人口は3919万人、総人口に占める割合は29.4%で過去最高となりました。
日本は「超高齢化社会」に突入し、世界でも有数の高齢化社会になっています。人口4千万人以上の38ヶ国中では、総人口に占める65歳以上の割合が2位のイタリア(25.1%)、3位のドイツ(23.7%)を突き放して1位です。
新たな課題
一方で、このような高齢化社会の構造は介護問題という新たな課題を浮き彫りにしています。
令和4年(2022年)の日本人の平均寿命は、男性81.05年、女性87.09年に対し、自立した生活を送ることができる健康寿命は、男性72.57年、女性75.45年と、介護が必要となる期間は男性8.49年、女性11.63年になります。
平均寿命の延伸により、介護が必要な期間も長くなっています。
認知症の増加
とくに認知症は深刻です。
認知症にかかる人の数は年々増加しており、「超高齢化社会」の進展とともに、今後も増加していく見込みです。具体的には、2012年には462万人とされていたものが、2025年は約700万人と推定されており、高齢者の5人に1人は認知症になると言われています。
介護の肉体的・精神的負担
認知症は記憶障害や判断力の低下などを引き起こし、本人だけでなく家族や周囲の人々にも大きな影響を与えます。認知症患者の介護は身体的・精神的な負担が大きく、介護者の孤立やストレスも深刻な問題となります。さらに、認知症による徘徊や事故、虐待などのリスクが高まります。
介護問題では、家族による在宅介護の負担が大きな問題です。高齢者が増える一方で、介護を担う世代は減少し、介護の担い手不足が深刻化しています。特に、働き盛りの世代が親の介護のために仕事を辞めざるを得ない「介護離職」も増加しており、経済的な影響も無視できません。
介護に備えた準備も必要
親の介護は突然やってきます。
誰でも自分の親にはいつまでも元気でいてほしいと思うものです。しかし、高齢になってくると、いつ認知症が始まったり、骨折をきっかけに寝たきりになってもおかしくありません。「ついこの間までは元気だったのに」とは、よくある話です。
いざという時に慌てないように、介護に関する準備はしておきたいものです。わが家でも、父と母が介護保険サービスを利用するために要介護認定を受け、ケアマネージャーによるケアプランを実施しています。
高齢化社会における介護問題は、今後ますます重要なテーマとなります。誰もが安心して老後を迎えられる社会を実現するためには、個人や家族だけでなく、地域や行政、企業など社会全体での協力と理解が不可欠です。
今は地域包括ケアシステムの推進や介護サービスの充実など多角的な取り組みも行われていますので、まずは専門機関に相談することも大事です。
まとめ
介護を無事に乗り切るには、家族全体で支える姿勢を持ち、専門機関に相談し、介護保険サービスや民間のサービスを積極的に活用することが重要です。介護者の心身の健康を保つために休息を取り、ストレスを発散し、経済的な準備をしておくことが大切です。