「定年後にやりたいことが見つからない」
「将来は不安だが、何から手をつけていいか、わからない」
「毎日をぼんやり過ごしている」
これでは、せっかくのセカンドライフを謳歌できず、ただ悶々とした生活が続いてしまいます。
サラリーマンとして長年働いていると、知らず知らずのうちに「サラリーマン脳」と呼ばれる特定の思考パターンが身についてしまうことがあります。
「サラリーマン脳」とは、すべての活動が受動的であること、つまり、上からの指示がないと自分から能動的に行動ができなく、ひたすら責任を逃れることばかりを考えることを指します。
サラリーマンとして会社に守られているうちは、思考回路が指示待ちであっても、仕事が効率的だったり、協調性や人間関係などのバランス感覚が評価されて出世するなどのメリットも感じます。
しかし、定年退職後は会社は守ってくれず依存はできませんので、自分の価値観に照らし合わせて考え、物事を決めることが必然となります。
定年後のプランが描けない
定年後に何をしたいのかわからないというのは、多くの人が抱える共通の悩みです。長い間、会社のルールや指示に従って働くことに慣れてしまうと、自分の意思で何かを考えて、行動することが難しくなります。
その結果、老後について漠然とした不安を抱き、この先の人生についてモヤモヤ感が残ります。
サラリーマン脳になる原因
なぜ、サラリーマン脳になるのか。
なぜ、自分で考えて行動できず、指示待ちの受身の姿勢になるのか。
それは、会社生活に慣れると、徐々に周囲との余計な摩擦や労力を回避し、言われたことだけやっている方が仕事が効率的で楽だと思うからです。
たとえば、会社組織では「自分はこんな仕事がしたい」と思っても、結局は自分の意思ではなにも決めることはできず、組織の中では根回しとか、人間関係とか、組織内の力学とか、そんなバランス感覚が優先されるという現実があります。
会社組織の中で、自分の考えていることを押し通すことは、気の遠くなるようなパワーが必要です。物事をスムーズに進めるためには、周りへの配慮が大切になるため、自分の意見を押し通すより大勢の意見に従う方を選ぶようになります。
- ルーチンワークへの依存: 毎日の業務がルーチン化されているため、創造的な思考をする機会が減ります。
- トップダウンの指示体制: 上司からの指示に従うことが多く、自分で考える力を使う機会が限られます。
- 自己決定権の欠如: 仕事の多くがチームや会社の方針に合わせる必要があり、個人の意思決定が尊重されにくい環境です。
日本人は諸外国の人と比べ同調圧力が強いと言われています。会社での出世を考えれば、必然的に周囲との争いごとは避けるようになります。
能動的思考への転換
繰り返しますが、「サラリーマン脳」の原因は、会社内で出世したいとか、周りとの摩擦を避けたい、いい人でいたいという気持ちです。会社では協調性とか人間関係のバランスを重視し、周りから見て突出した存在にならない方が無難で心地よいからです。
しかし、定年退職したあとは、仕事以外のことでも、常に「自分のやりたいこと」を明確に意識して行動する習慣が大事になります。
定年が視野に入った50代からは、会社で出世するために、他人の目を気にしたり、同調圧力に従うのではなく、自分の考えを主張し、常に行動する習慣を身に付けておきたいものです。
そうして気持ちを切り替えると、今までとは違った世界が見え、気持ちが楽になり、仕事だけでなく、趣味や生活面でも、きっとやりたいことが見つかってくると思います。
できるだけ早く思考回路を変えて、自分の意思を能動的に考え、行動することが大事です。
ライフプランは早めに作成
思考回路を変換し能動的になることが、豊かで幸せなセカンドライフづくりに役立ちます。それは、いち早く老後に向けたライフプランを作成することができるからです。
これからの人生の楽しみは、好きなことをしたり、欲しいものを手に入れて満足感や幸福感を得ることです。将来のライフプランを作成することによって、老後生活の見える化ができ、早い段階で人生が幸せになるための対策を講じることができます。
- 短期目標と長期目標の設定: 具体的な目標を設定し、それに向かって進む道筋を描く。
- 柔軟な思考を持つ: 状況に応じてプランを見直し、柔軟に対応できるようにする
- 健康を維持する: 精神的にも肉体的にも健康を維持する。
まとめ
多くの人が老後のお金・健康・仕事について漠然とした「不安」や「悩み」を抱えます。物価高や少子高齢化による年金・社会保障の問題など課題が山積していますので、「老後への不安」は一層高まっています。
そのような社会情勢のなか、老後のライフプラン(人生設計図)を自分自身で描いて行動していく覚悟と勇気を持たなければいけません。そのためには、50代の早いうちに「サラリーマン脳」から脱却し、自ら考え行動する習慣を身につける必要があります。
50代に突入したら、老後に向けて漠然とした「不安」や「悩み」を解消するためにも、自分の好きなことややりたいことを明確に意識し、しっかりとしたセカンドライフの準備を始めることが大切です。