あなたを襲うミッドライフ・クライシス!乗り越えるための2つの価値観!

暮らし

「あなたは何のために働くのですか?」

定年も間近になり、自分の人生を振り返ったとき、「自分は何のために働いてきたのか」と考える方も多いのではないでしょうか。多くの人は、働く目的として家族を養わなければいけなかったり、趣味や旅行などを楽しみたいと思ったり、経済的に安定したいことが挙げられると思います。

20代や30代の若い頃、仕事に対するやる気や意欲であった「高い収入や出世」といったものが、50代になると消え失せ、自分がなぜ今の仕事をしているのか、仕事に対する価値を見失う傾向にあるようです。

50代以降は、いままでの自分の仕事に対する価値観を見直して、定年後には、新しい価値観による働き方が大切です。

ミッドライフクライシス

「自分の人生は、このままでいいのだろうか」

残りの人生を考えたとき、ふと今の自分のままでいいのかと不安と焦りを感じる方も多いのではないでしょうか。

そんな人生の終盤を迎えるシニア層が、自分のこれまでの人生や独自性について葛藤したり不安を感じる時期のことを「ミッドライフクライシス」と言い、中年の危機と呼ばれています。悪化するとうつ病につながるとされており、とても恐ろしい症状です。

アメリカの心理学者であるダニエル・レビンソンによると、実に80%の人たちが40代~50代のあたりに大きな危機を迎えるとされています。

40代~50代の男性は、定年を目前にして将来に対し漠然とした悩みや不安を抱く時期です。20代から会社でガムシャラに働いて出世や高い収入を目指してきたものが、会社内での立場やゴールもそろそろ見えてきて、人生をどう終えるかという視点を持ちやすくなる時期でもあります。一方、女性は、子どもが就職し自立したことで、自分の役割が終わったと喪失感や虚しさを感じる時期と重なります。その症状を空の巣症候群といい、寂しさや空虚感でやる気がなくなり、自分の生きる意味さえも疑問に持つこともあるようです。

あきらめることも大事

では、ミッドライフクライシスに陥らないためにはどうすればよいのでしょうか。

まずは、周囲からの評価や価値観ではなく、自分は「どうありたいのか」を中心に自分を軸とした価値観を再定義することです。これまでの自分の経験を振り返り、今の自分と融合させて新しく魅力的な自分を作り上げていくことが大切です。

これまでの会社生活は、自分のキャリアを高めたい、出世したい、高い収入を得たいなどの自分の目的を達成するためにガムシャラに頑張って働いてきたと思います。しかし、人生の終盤に入り、自分の会社内での立場やゴールが見えてきた現在、自分で何かを成すという意識よりも、人の役に立つために仕事をする、誰かのためになりたいという意識が大事であると思います。

残りの人生に対し葛藤したり、不安を抱えたときに大切なのは、弱い自分を受け入れて自分自身を見つめ直し、いい意味でなにかを諦めることだと思います。自分のなかにあったものを一つ手放すことで、新しいなにかを得ることができます。

心身を健康に

体を動かして気持ちを発散させることも大切です。

50代になると、若いときと比べ体力が落ち、病気を患う可能性が高まります。身体の変化に影響されて気持ちが沈みがちになり、ついついネガティブな考え方に陥ることがあります。考え方がネガティブになると、やる気が失せ、どんどん活力がなくなっていきます。毎日が活力に溢れ、生き生きと過ごすためには、健康的に運動することが大事です。

運動をすると、幸せホルモンと言われるセロトニンやエンドルフィンが分泌し、自然とやる気が湧いてくるそうです。まずは、体を動かし、食事に気をつけることです。毎日散歩をして、心身ともにリフレッシュすることがおすすめです。

散歩の良いところは、考え続けても、いいアイデアが浮かばないときに、一旦考えることをやめ、歩くことで気分転換になり、ネガティブな思考や心の中のモヤモヤがなくなることです。少し頭が疲れて思考回路が回らないときに歩いてみると、新しいアイデアが生まれたりすることもあります。

仕事に対する価値観の変化

20代や30代のキャリアと50代を過ぎて定年を迎えるキャリアは大きく異なります。若い頃の仕事に対する能力は基本的に伸び続けます。しかし、50代を過ぎてくると気力や体力など自分の能力に一定の限界を感じます。まして、会社での立場や出世にも限界を感じて、やる気が失われると能力は一気に低下します。また、定年後は、収入が大きく減少しますので、意欲を高めることが困難になります。

つまり、50代以降の働き方に対する価値観を見直す必要があるのです。第一線から外れたときや収入が減ったときに、それでも働き続けるには、これまでとは違った「働くための意義」を見出すことが大事になります。

仕事を通じて、体を動かすことは重要な価値観です。仕事に就くということは、日々の生活うを規則正しく保つ運動の役割になります。適度に体を使うことによって心身ともに活性化し、活力ある生活に繋がります。

新しいスキルに挑戦することも大切な価値観です。自ら学び直すことによって自身の専門性を高め続けることができます。新しいことへの挑戦は、ミッドライフクライシスやうつ病などの予防にも役立ちます。対人能力や対自己能力は、これまでの人生経験豊富な高齢者の強みでもあり、生涯伸ばし続けることも可能です。こうした能力をいかに高めるかが定年後の幸せな生活を送るためには、とても重要なファクターとなります。

歳を取ると、だれでも体力や気力が低下し、仕事の処理能力や論理的思考力が衰えます。そのとき、自分の老いと正面から向かい合い、対人能力や対自己能力、専門知識など持てる能力を伸ばし向上させる働き方が大事です。

しかし、これらの価値観は、若い時のような高い収入や出世を目指していた働き方とは無関係です。あくまでも、仕事を通じて誰かの役に立つために、自分の能力を発揮する意識が大切です。

(参考文献および資料)

 ほんとうの定年後 坂本貴志(講談社現代新書) 2022年8月20日発行

「精神科医Tomyが教える40代を後悔せず生きる言葉」ダイヤモンド社オンライン         

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