退職後の不安を解消するために、事前に知っておきたい4つの手続き!

暮らし

50代・60代のシニア世代の方で、定年が迫っているが退職後の手続きについてよくわからずに不安を感じている方も多いのではないのでしょうか。会社を退職すると、健康保険の加入・雇用保険(失業手当)の申請・国民年金切り替え・住民税支払いなどの手続きが発生します。

退職後、すぐに再就職や再雇用される場合は、次の会社で諸手続きを行いますが、退職後、離職期間がある場合は、自分で手続きを行わなければなりません。

そのため、退職後に離職期間のある方は、自分でやらなければならない手続きを事前に知っておくことが大切です。

社会保険(健康保険)

被保険者が会社を退職した場合、健康保険については、任意継続健康保険、国民健康保険、家族の被扶養者のいずれかの手続きが必要です。ただし、すぐに転職する場合、次に働く会社で切り替え手続きを行いますので、手続きは不要です。

  • 任意継続健康保険に加入する
  • 国民健康保険に加入する 
  • 家族の被扶養者になる

任意継続健康保険は、加入条件として健康保険の被保険者期間が継続して2ヵ月以上ある人は、被保険者でなくなった日から20日以内に手続きをすれば、引き続き、元の会社の健康保険に被保険者として最長2年間加入し続けることができます。この場合の保険料は、被保険者が全額自己負担します。

任意継続健康保険料は、前職の収入などによりますが、場合によっては国民健康保険に新たに加入するよりも保険料を抑えられます。また、在職時と同じく被保険者分の保険料で扶養家族分の健康保険も適用されるメリットがあります。

国民健康保険への加入は、退職後14日以内に市区町村の窓口で手続きを行います。保険料は、市区町村によって異なり、前年の所得によって計算されます。国民健康保険の給付には、健康保険と異なり出産手当金や傷病手当金はありませんので注意が必要です。

国民健康保険は前年(1月~12月まで)の世帯所得が少なければ保険料が減額されますので、退職後最初の1年間は任意継続のほうが安くても2年目からは国民健康保険のほうが安くなる場合があります。

任意継続から国民健康保険への切り替えの際は、加入している健康保険組合に「任意継続被保険者資格喪失申出書」を提出し、「任意継続の資格喪失証明書」を発行してもらいます。その後、「任意継続の資格喪失証明書」を最寄りの市区町村に提出し切り替え手続きを行います。

また、配偶者の扶養に入る場合は、退職した5日以内に年間収入がわかる書類と健康保険扶養届出を配偶者の会社に提出する手続きが必要になります。

雇用保険(失業手当)

失業手当は、被保険者が失業した場合に、離職の日(退職日)以前の2年間に被保険者期間が通算して12ヵ月以上あるときに支給されます。なお、雇用保険における失業の状態とは、労働の意思および能力があるのも関わらず職業につけない状態です。労働意思のない場合は支給されませんので注意が必要です。

失業手当申請の手順

  1. ハローワークに必要書類を提出
  2. 雇用保険説明会を受講(職業相談に含まれる)
  3. 失業手当支給日まで待機(定年退職の場合は7日間)
  4. 失業手当の支払い開始
  5. 就職活動(職業相談含む)
  6. 4週間ごとに認定。ハローワークでの職業相談
  7. 失業手当の支払い

会社の都合でなく、自分の意思で退職した場合は「自己都合による退職」とみなされます。通常、失業手当は失業状態になった日から7日間の待機期間後に受給可能です。しかし、自己都合による退職の場合は追加で2ヵ月または3ヵ月の給付制限期間が発生します。

一般離職者の基本手当給付日数(自己都合、定年退職の場合)

 被保険者期間 年齢1年未満1年以上 10年未満10年以上 20年未満20年以上
全年齢 90日 120日 150日
厚生労働省資料より

なお、前職が会社の役員等の場合は、原則として、雇用保険の被保険者にはなりません。役員に就任した段階で雇用保険被保険者の資格を喪失します。

国民年金への切り替え

国民年金の加入義務は60歳までなので、60歳以降に退職した場合は、国民年金への加入手続きは不要です。ただし、扶養されていた配偶者が60歳未満の場合は、国民年金の第3号被保険者から国民年金の第1号被保険者に切り替わるので、国民年金の保険料納付を自分で支払うようになります。

住民税の支払い

住民税の支払いは、退職から転職までの期間が1ヵ月以上空くという場合、退職時期によって住民税支払いの手続き方法が異なります。

1月1日~5月31日に退職する場合は、住民税の支払い手続きは不要です。

住民税は1年間の所得に対する税金を6月1日~5月31日までの1年間で納める仕組みです。1月1日~5月31日に退職した場合は未納分の住民税が退職月の給与や退職金から一括で徴収されます。

例えば、1月30日に退職した場合は1月の給与や退職金から2~5月に納める予定だった住民税も徴収されます。そのため、住民税の支払い手続きを自分で行う必要はありません。

6月1日~12月31日に退職する場合、退職以降から翌年5月までの住民税の支払い手続きは原則自分で行います。なお、転職する場合、翌年6月以降の住民税は給与天引きされます。

まとめ

退職後は、健康保険、雇用保険、国民年金、住民税支払いなどの手続きがあり、再就職しない場合は、これらの手続きを自分で行わなければなりません。とくに、健康保険については、任意継続健康保険と国民健康保険の選択によって支払う金額が異なりますので、シミュレーションして比較するなど慎重に検討することが大切です。

Follow me!

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました