9月の第3月曜日は敬老の日。
ひと昔前の敬老の日は9月15日でしたが、2001年の法改正でハッピーマンデー制度が導入され、2003年から9月の第3月曜日に変更されました。
敬老の日のルーツは、兵庫県北播磨にある多可村(当時)の村長が、お年寄りを大切にして村の発展のために知恵を借りようと提唱し、敬老会を開催したことが発祥とされています。
敬老会にはいつから招待される
地区の社会福祉協議会と市が共催で各地区において開催する敬老会への招待は、75歳以上の高齢者が多いようです。また、一部地域では80歳以上の方を招待している自治体もあります。
このように、一般的には、後期高齢者の方が敬老の対象のようです。
高齢者の定義
世界保健機関(WHO)では65歳以上を高齢者としています。
また、わが国の「高齢者の医療確保に関する法律」では、65歳から74歳までを前期高齢者、75歳以上を後期高齢者としています。
国連報告書において高齢者を65歳と定義した1956年当時は、日本の65歳の平均余命は男性11.36歳、女性13.54歳でした。
人生100年といわれ、60歳を過ぎても働く方が多い今の時代は、65歳を高齢者と感じている方は少ないのではないでしょうか。
このような状況を踏まえ、高齢者の定義を65歳以上から75歳以上に引き上げるべきだとの声も出てきています。
働き方の実態
総務省が敬老の日にあわせて発表した高齢者に関する統計では、2023年の65歳以上の就業者数は22年に比べて2万人増の914万人だったそうです。これは、20年連続で増加し、過去最多を更新中とのことです。このなかで65歳から69歳の就業率は52%にのぼり、なんと2人に1人が働いていることになります。
定年を延長する企業が増加していることが背景にあると思いますが、AIやDXなどの先端技術ではなく、高齢者の働き手が人手不足を補う構造は、世界から見た場合、少し歪に見えるのではないでしょうか。
人口推計による65歳以上人口の割合は、日本が世界で突出しており、人口10万人以上の200カ国・地域のなかで日本が首位に立っているようです。
どうする社会保障制度改革
このように急激に進む高齢化社会では、社会保障制度の改革が喫緊の課題となります。
今回、国で取り組んでいる社会保障改革では、社会保障制度を全世代対応型への転換を図ることにより、高齢者が現役世代に頼ることなく、世代を問わず一人ひとりが能力を発揮して、積極的に社会および社会保障の支え合いの仕組みに参画でき、必要な人に必要なサービス、給付が適切に行われる社会保障制度を構築するとしています。
また、高度急性期への医療資源集中投入など入院医療強化、地域包括ケアシステムの構築など、どこに住んでいても、その人にとって適切な医療・介護サービスを受けられる社会を目指すとの方向性を示しています。
健康寿命を延ばす
2025年には団塊の世代が全員後期高齢者の年齢に達します。
これまで日本経済を担ってきた人たちが、医療や介護福祉サービスを受ける側となります。
そして、税収が減るなかで社会保障費は増え、現役世代4人で高齢者1人を支えていた時から、2人で1人を支える時代になり、2035年には65歳以上が世の中全体の3人に1人となります。
人生100年、残りの人生をただ生きるのではなく、毎日を生き生きと過ごし、規則正しい生活・食事・運動で健康寿命を延ばして、できるだけ子どもや孫の世代に負担をかけないよう心掛けたいものです。