高齢者の7人に1人が認知症患者?認知症との共生、あなたはどうする?

暮らし

先日、日本経済新聞にとてもショッキングな記事が出ていました。

「2030年には、高齢者の14%にあたる523万人が認知症患者になる」

つまり、高齢者の7人に1人は認知症になってしまうようです。

人生100年、歳を重ねるほど心配になる認知症ですが、平均寿命が延びるに連れて、誰もがかかりうるリスクがあることを認識し理解することがとても大事になってきます。

迫る認知症の実態

厚生労働省研究班の推計によると、認知症患者は、2022年から2030年の8年間で80万人増えるようです。また、団塊ジュニア世代が65歳以上になる2040年には584万人にも上ると予想されています。

さらに、認知症予備軍は2030年には593万人に達すると推測されており、人生100年時代において、認知症はすでに避けることのできない問題となっています。

認知症基本法

政府は、2024年1月に「認知症基本法」を施行しました。

「認知症基本法」とは、厚生労働省の資料によると、認知症の人が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすことができるよう、認知症施策を総合的かつ計画的に推進することを目的としているようです。

つまり、認知症の人に関する国民の理解を高め、人格と個性を尊重してお互いに支え合いながら、活力ある社会づくりを推進するとのことです。

「認知症基本法」の施行によって、今後、適切な医療や介護、さらには生活に関わる公共交通機関や福祉サービスの提供など、自治体を中心とした社会的支援が期待できます。

このように、「認知症基本法」の施行によって認知症に関する理解が深まり、安全な地域づくりに向けて、さまざまな取り組みが行われていくと思います。つまり、認知症になっても安心して生活できる社会づくりを目指す取り組みです。一方、認知症にならないために自分自身で予防に取り組むことが大切になります。

認知症の原因となる病気

厚生労働省「都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応」(平成25年3月報告)によると、認知症の原因となる主な病気は、アルツハイマー型認知症67.6%、脳血管性認知症19.5%、レビー小体型認知症4.3%、前頭側頭型認知症1.0%となっています。

一番発症の多いアルツハイマー型認知症は脳内にたまったアミロイドβと呼ばれる異常たんぱく質によって脳神経が変性し、脳の一部が萎縮する過程で発症すると言われています。

アルツハイマー型認知症の症状は、いわゆる記憶障害(もの忘れ)や失語(名前が出てこない)、失認(視覚には問題ないのに見えているものが何かわからない)、失行(動作には問題ないのにどうすれば良いかわからない)であるため、加齢による老化との区別が難しく、受診が遅れてしまうようです。

脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によって発症する認知症です。症状としては、記憶障害から認知機能障害が少しずつ広がるのが特徴で抑うつになることもあるようです。また、歩行障害や手足の麻痺などもあるようなので、とても怖い病気です。

認知症の多くを占めるアルツハイマー型認知症や血管性認知症は、生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症など)が影響すると言われています。例えば、バランスの良い食事や適度な運動習慣などが認知症のリスクを下げると言われています。

認知症になりにくい人

認知症になりにくい人の特徴は、以下の3つです。

認知症になりにくい人の特徴は、知り合いの脳神経外科の先生によると、誠実で責任感が強く、くよくよしない人(ストレスに強い)で生活習慣病のない人だそうです。逆に小さなことを気にしてしまったり、自己中心的だったり、生活習慣が乱れていて怒りっぽい人は注意が必要です。

小さなことは気にせず、楽観的な考え方でおおらかに生活することが大事です。

認知症と社会との共生

長寿化社会により、いまや認知症は誰でもがなりうるリスクをはらみます。

もちろん誰もが認知症にはなりたくありませんし、生活習慣やコミュニケーションによる認知機能低下に気をつけ、認知症にかからないように予防することは大切なことです。

しかし、認知症に対して過度な不安や恐怖に陥り、悩みを抱え過ぎることは避けるべきです。もう少し楽観的な考えになり、認知症にならないのではなく、いずれは認知症になるかもしれないけど、予防することで認知症の発生を遅らせるくらいの気持ちで良いのではないでしょうか。また、万が一認知症になったとしても希望を持って社会と共生することが大切だと思います。

また、初期段階で症状に気づけば、薬などにより認知症の進行を遅らせたりすることも可能なようです。運動や食事などの生活習慣に気をつけ、人と話す機会を増やして認知機能の低下を防ぐ。そして、過剰に恐怖感を持たないことを心がけたいものです。

これからの長い老後生活を豊かに生きるためには、私たち全員が、認知症に対して正しい知識を持って正しく理解し、認知症の人の尊厳を保ちながら、安全で快適な社会を作り上げることがとても大事です。

Follow me!

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました