総務省が発表した23年の家計調査では、2人以上世帯の消費者支出が新型コロナの影響があった2020年以来、3年ぶりに減少しました。物価高が進むなか、特に食料品などの日用品が減少しており、節約志向による買い控えが多かったようです。
しかし一方では、旅行や教養娯楽、外食などは消費者支出が増えており、お金を上手に賢く使って生活を楽しんでいる方もいるようです。
このように、少しだけお金の使い方を見直すことで、日常における節約の悩みが解消されるかもしれません。
支出の見える化が第一歩
まず一つめは、支出の見える化を行うことです。
支出の見える化がされていないと、毎月使ったお金の詳細がわからず、どこから節約すれはよいかわからなく悩むことになります。
効果的にムダなく賢く節約するには、まず、支出の見える化を図り、何に使ったかをわかるようにすることが大事です。
そのためには、使ったものを洗い出し、家計簿をつけることが有効です。いまは、家計簿をつけるといっても「家計簿アプリ」があるので、簡単にできます。
固定費の見直し
次に、固定費の見直しです。
節約づかれが起こる原因の一つが、変動費である食費などの日常生活費やレジャー費、交際費を一生懸命節約していることです。節約で重要なのは固定費削減ですので、固定費の中から節約できる部分を見つけ、見直すことが大事です。
特に、節約できるのが、生命保険料、スマホなどの通信費、サブスク、スポーツジムや習い事など月謝のかかる費用です。これらを見直すことでムダを削減できます。
まずは、保険の見直しです。
公的医療保険に加入していれば、病気やケガで医療費が発生しても、自己負担は最大でもかかった医療費の3割です。また、高額の場合には、高額療養費制度で十分保障がカバーされ、一般的な収入の方なら、どんなに医療費がかかっても、月10万円ほどの支払いで済みます。
医療保険の原則は貯蓄では足りない不測の事態に備えるものですから、医療費を貯金でまかなえるのであれば、医療保険は不要です。
生命保険は、掛け捨ての生命保険と火災保険、自動車保険(車両保険除く)の3つで十分です。死亡保険は、自分が死亡したあとに経済的に困る人がいる場合に加入します。子どもが独立しているのであれば、死亡した場合に必要な分だけ、掛け捨て型に加入すれば十分です。
スマホ代などの通信費は、見直しを後回しにせず、早めにどのくらい安くなるのかを試算して見直すことでムダを削減します。
月謝は、利用していないのであれば、すぐに解約することをおすすめします。いつか利用からと払い続けても、いつまで経っても利用しないことが多いです。
固定費には、ほかにも住まいや車の費用などがあります。住宅ローンや車の維持費でお金がかかっているようであれば、それらの見直しも検討が必要です。
お金をかけたいことに優先順位を
最後に、お金をかけたいコトやモノに優先順位をつけることをおすすめします。優先順位をつけることで節約にメリハリが生まれます。
必要以上にお金を使うことを我慢するのではなく、収入の一部を貯金や投資に回し、自分にとって必要なことには優先順位をつけてお金を使うと生活にゆとりが生まれます。
大切なのは、自分のやりたいことの優先順位を把握し、リスト化して計画を立てることです。
私はスポーツ観戦や旅行が好きなので、よく出かけます。一方で衣類や装飾品などのファッション関係や外食・飲み会などは最低限に抑えています。私にとっての優先順位は、モノではなくコトなので、まず自分が行いたいことの計画を立て、かかる費用を予算化することにしています。
お金は使うためにある
先の見えない将来に向け、お金は生きていくために必要なものです。いくらあっても足りないくらいでしょう。
とくに、60代からは、主な老後の収入が年金だけになるためお金の不安が増してきます。その不安を解消するために節約することはとても大切なことです。
しかし、60代からは、子育ても終わり、仕事の面でも落ち着いた人生で一番楽しい時期です。毎日を生き生きと過ごすためにも、必要以上に節約に縛られることなく、今、やりたいことに賢くお金を使うようなメリハリをつけた人生を送りたいものです。