父親の存在感が低下?時代とともに変わっていく父親の姿

暮らし

「父親の地位が低下している」
「父親は尊敬されていない」
「父親よりも母親が好き」

先日の日本経済新聞で、「最も尊敬する相手」が父親ではなく母親になったという記事を目にしました。

その記事を読み、定年後、家庭の中で自分の居場所を見失いがちな昭和世代のおじさんの立場で「父親の存在感とは何か」を改めて考えさせられました。

尊敬する人が父親から母親に

博報堂生活総合研究所が首都40キロ圏内に住む19歳~22歳の未婚男女600人を対象にまとめた2024年の「若者調査」によると、「尊敬する点が一番多い相手は、父親の33%に対し母親は43%だったようです。

30年前の1994年時の調査と比べると、父親は12.6ポイント低下し、母親は14.6ポイント上昇しています。

このように、尊敬する相手として母親を挙げる人が増えている傾向は、家庭における父親の存在感や影響力の薄れを物語っています。

昭和の父親

昭和の時代、父親は「一家の大黒柱」として常に家の中心にいました。

朝は誰よりも早く起き、無言で新聞を広げ、スーツに腕を通して出勤する背中には、家族を支える責任と誇りがにじんでいました。

多くの子どもたちは「お父さんは外で頑張っている」という母の言葉に、自然と尊敬の念を抱いていました。

父親は厳しく、時に怖い存在でしたが、その厳しさの裏にある愛情を、子どもたちはどこかで感じとっていたものです。

当時は、母が家庭を守り、父が外で働くという役割分担が社会の当たり前でした。父親は多くを語らずとも、黙々と家族のために働くその姿が、自然と尊敬の対象となっていました。

家庭のあり方の変化

しかし、時代の流れとともに女性の社会進出が進むにつれ、家庭のあり方は大きく変わりました。共働きが当たり前となり、家事や育児も「夫婦で分かち合う」時代へと移り変わりました。

父親にも仕事だけでなく家庭での役割が求められるようになったものの、現実には帰宅が遅く、家で過ごす時間も会話も少ないのが実情です。

その一方で、母親は仕事と子育てを両立しながら懸命に家庭を支える姿を子どもたちに見せており、その分だけ母親との距離は自然と近くなります。こうした状況の中で、母親の存在感は一層高まり、結果として父親の立場は相対的に薄れていきました。

新しい時代の父親の姿

かつての「父親の威厳」は少しずつ薄れ、子どもたちは父を「尊敬する存在」から「身近な存在」として見るようになり、父親の言葉に絶対的な重みがあった時代はすでに過去のものになりました。

昭和の父親は、遠くて大きな存在でした。
令和の父親は、近くて優しい存在になりました。

時代が変われば、家族の形も変わり、尊敬の形もまた、変わっていきます。かつての「威厳ある父親」は姿を消し、その代わりに「寄り添う父親」が生まれましたが、それは、時代が求めた新しい父親の姿なのかもしれません。

まとめ

しかし、この時代の変化は父親の存在が不要になったという意味ではありません。むしろ、家庭における父親の役割が「経済的支柱」から「心の支え」や「共感的なパートナー」へと変化している過渡期にあると考えられます。

今後の父親像は、権威や指導よりも、家族と共に考え、感じ、支え合う姿勢が求められます。父親が「頼りになる存在」として子どもにとって心理的に近づくことが大切です。

今回の冬季五輪で活躍した選手の多くが、父親に感謝したい、お父さんの子で良かったと言って親子で抱き合っている姿がとても印象的でした。

父親の存在感は、社会的地位や収入ではなく、家族との関係性の深さによって築かれる時代へと移りつつあります。共感と対話を重ねることで、父親は新しい形で家庭の中心的存在としての役割を取り戻していくはずです。

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