孤独を感じたことはありますか。
近年、高齢者のアルコール依存症が増加し、暴力やセクハラ、犯罪などの社会問題も目立つようになっています。本来、高齢者は豊富な知識と経験を持つ良識人であり、地域の「ご意見番」的存在でした。
しかし、今や「キレる高齢者」と呼ばれる人が増えています。急速に進む高齢化社会の中で、これは決して他人事ではありません。
アルコール依存症の増加
厚生労働省の調査によると、国内のアルコール依存症者は約109万人。通院していない「隠れ依存症」や予備軍を含めると800万人を超えるとも言われています。
日本最大の治療機関・久里浜医療センターによれば、20年前は入院患者のうち高齢者が10%程度でしたが、現在は30%前後に増加。特に定年後、自由な時間が増えたことで飲酒量が増え、依存に陥るケースが目立っています。
定年後の居場所
高齢期はアルコール問題が起こりやすい時期です。仕事一筋で頑張ってきた人ほど、退職後に居場所を失いがちです。
家庭でも地域でも役割を見出せず、孤独と退屈を紛らわすために朝から飲酒を始め、やがて抑うつ的になり、さらに酒に頼るという悪循環に陥ることがあります。
これは誰にでも起こり得ることです。特に、社会的地位や収入を失った「ただのおじさん」になったとき、心の支えを失う人が多いようです。
定年後の生き方
孤独の対極は「仲間とのつながり」です。新しいコミュニティに参加し、人との関係を築くことが孤独から抜け出す第一歩になります。
ただし、過去の肩書や自慢話は禁物。プライドを手放し、等身大の自分で関わることが大切です。定年後は「現役時代の肩書」に頼らない生き方が求められます。
老後に悲観しない
人との交流が増えると、お金も必要になります。数年前に話題となった「2000万円問題」は、多くの人に老後不安を与えました。
しかし、実際の60代の平均貯蓄額は約1849万円、中央値は1000万円程度。多くの人が「2000万円」には届いていません。それでも悲観する必要はありません。
大切なのは「ないものはない」と受け入れ、今ある資産の中で計画的に生きることです。お金はいくらあっても不安は尽きません。むしろ、貯めこむあまりに友人も思い出もない人生にならないようにしたいものです。
頑張らない勇気
私たちは長年、「がんばれ」と言われ続けてきました。競争社会を生き抜き、ようやく自由な時間を得ても、孤独で寂しい毎日では意味がありません。定年後は少し肩の力を抜いて、「がんばらない勇気」を持つことが大切です。
60代以降の体力や集中力は若い頃のようにはいきません。無理に張り合おうとすれば、心が折れてしまうこともあります。
特に、生涯現役を目指す人ほど、思うようにいかなくなったときに強い絶望感を抱きやすいといわれます。
プライドの高さが自分を苦しめ、他人との関係をこじらせる原因にもなります。スーパーや駅で怒鳴っている高齢者の姿に、そんな心の不自由さを感じることがあります。
いい加減の姿勢
年齢を重ねると、がむしゃらに行動する体力は減りますが、その分、経験による「ゆとり」が生まれます。完璧を求めすぎず、相手の立場や状況を考えて「加減」できることこそ、大人の知恵です。
「いい加減」とは、無責任ではなく、力を抜いた柔軟な生き方。人との関係を円滑にし、自分の心も穏やかに保つための姿勢です。
まとめ
60歳からの人生は、まさに「大人の生き方」ができる時期です。過去の栄光を手放し、孤独をアルコールで紛らわすことなく、自分らしく、颯爽とセカンドステージを歩んでいくことが大切です。
