お盆が終わった今だからこそ
お盆が終わり、家族がそれぞれの暮らしへ戻ると、家の中には少し静かな時間が戻ってきます。
ご先祖さまに手を合わせ、久しぶりに親族で顔を合わせたこの時期は、「これからのお墓や供養」について考えるよい機会でもあります。
私もお盆に、これからのお墓のことや、家族に負担をかけない供養について考えてみました。
増えている「墓じまい」と改葬
近年、お墓を取り巻く環境は大きく変化しています。
厚生労働省の衛生行政報告例によると、2024年度の改葬件数は17万6,105件でした。改葬とは、現在のお墓から遺骨を取り出し、別のお墓や納骨施設などへ移すことです。(厚生労働省)
その背景には、少子高齢化や核家族化、子ども世代の遠方への転居などがあります。
2026年の墓じまいに関する調査でも、理由として「遠方のため」が47.8%で最も多く、「墓参りが難しくなった」「管理費が負担」といった声も挙がっています。
お墓を大切にする気持ちは変わらなくても、今の時代は、遠くに住んでいたり、年齢や費用の負担があったりして、お墓を守り続けることが難しくなっています。
お墓や供養の形も多様化
現在は、昔ながらの家族墓だけが供養の形ではありません。
永代供養墓、樹木葬、納骨堂、散骨、手元供養など、さまざまな選択肢があります。
特に樹木葬や永代供養などは、「子どもにお墓を継がせたくない」「管理の負担を残したくない」という人から選ばれています。
ただし、永代供養だからといって、必ずしも永久に同じ場所で安置されるとは限りません。個別に安置される期間や、その後に合祀されるかどうか、何人まで納骨できるのか、追加費用があるのかなど、契約内容を確認することが大切です。
「自分の希望」と家族の気持ち
散骨を希望する人も増えています。厚生労働省も、葬送に対する意識の変化を背景に散骨が広がっているとして、事業者向けのガイドラインを公表しています。(厚生労働省)
しかし、すべての遺骨を散骨した後、家族が「どこに向かって手を合わせればいいのだろう」と寂しさを感じることもあります。
一部を手元供養として残したり、写真や思い出の品とともに小さな祈りの場を設けたりするなど、残された家族が故人を偲べる場所を考えておくことも大切です。
お墓は「相続」とは別に考える
お墓や仏壇・仏具は、預貯金や不動産などとは異なり、「祭祀財産」として扱われます。
そのため、誰がお墓を守るのかは、一般的な相続とは別に考える必要があります。
「子どもがいるから、当然お墓を継いでくれるだろう」と思っていても、遠方に住んでいたり、仕事や家庭の事情があったりすれば、簡単には引き継げないこともあります。
だからこそ、元気なうちに「このお墓を誰が守るのか」を家族で話しておくことが大切です。
墓じまいは、まず家族で相談
墓じまいを考えたら、まず家族や親族と話し合うことが大事です。
お墓を引き継ぐ人がいなければ、永代供養墓や納骨堂など、これからの供養方法を考えます。みんなで相談して決めることが、トラブルを防ぐことにもつながります。
お盆に考えた家族のこれから
お盆の間、私も「子どもに負担をかけたくない」と思いながら、これからのお墓や供養について考えてみました。
でも、何も残さないことが、家族への思いやりとは限りません。お墓参りをしたり、仏壇に手を合わせたりすることは、残された家族にとって、故人を身近に感じる大切な時間になることもあります。
自分の希望と家族の気持ち
だからこそ、自分の希望だけで決めるのではなく、家族がどうしたいのかも聞きながら、一緒に考えることが大切だと思いました。
お盆の間に「これからのお墓をどうするのか」「自分はどんな供養をしてほしいのか」と考えたことを、家族にも伝えておきたいと思います。
すぐに答えを出す必要はありません。まずは自分の希望を伝え、家族の気持ちも聞いてみる。そうやって少しずつ話し合っていけばいいのだと思います。
形が変わっても、供養する心は変わらない
お墓の形が変わっても、故人を思い、手を合わせる気持ちは変わりません。
今の家族の暮らしに合った供養の方法を選ぶことも、大切なことです。
お盆にご先祖さまを思った時間をきっかけに、これからの自分と家族のことを考えてみる。それも、終活の一歩なのかもしれません。
